第一論文「真理の根幹」の後半 どんな場合でも,どんな人に対しても,自分のことを真っ先にする考えを捨てて接すれば,最大の報酬が得られるものです。私はここで,愛情をそれ自体好ましいものだとか,崇高なものだとか言っているのではありません。どんな経…

ラスキン 「この最後の者にも」 その真髄 M.K.ガンジー 前回の序章に続いて、第一論文の翻訳を掲載します。 第一論文 真理の根幹 人類は様々な時代に様々な幻想にとらわれてきました。そのうち,おそらく最も強力で,かつまちがいなく最も信用ならないも…

若く,まだ苗木のようなガンジーは,親族の支援を受け,又使える限りのあらゆるコネに助けられて,ようやくイギリスに向けて出航した。イギリスでの留学生活について書き残した文章を掲載する前に一休みして,ガンジーがずっと後に,マハトマと呼ばれるよう…

1888年10月27日[1](土)~11月23日(金) マズムドル氏,アブドルマジド氏と3人でヴィクトリアホテルに着いた。アブドルマジド氏が,ホテルのポーターに威厳のある態度で,私たちが乗ってきた馬車の馭者に適切な料金を払うように言いつけた。…

1888年9月4日 さて,航海について書いておこう。船が錨を揚げたのは午後5時ころだった。船旅には不安があったが,心配したことはなかった。航海の間,一度も船酔いにもならなかったし,吐くこともなかった。汽船で旅をするのは,人生で初めての経験だ…

1. 告白[1] 〔1884年〕 私はそのことを紙片に書いて父に手渡した。そこでは,自分が犯した罪を告白しただけでなく,罰を加えてくれるように請い,また父がこのことで自身を責めないように願って締めくくっていた。私は,二度と人の物を盗まないことも誓…

ガンジー全集 第一巻 (1884年~1896年6月) 第一巻への序言 ガンジーの生涯の最も早い時期をとり扱うこの第一巻が,編集者にとって一番の難関だった。ガンジーは後の,より活動的な人生に備えて外国にあったから,オリジナルの資料を手に入れるに…

序文

序 文 インド政府は,この国に自由をもたらした功労者に報いる,ただそれだけのためにマハトマ・ガンジー全集の刊行に着手したのではない。マハトマの著作,発言,手紙のすべてはそれ自体,後世のために収集・記録されるべきだとの信念をもって,着手したも…

まえがき

まえがき あと1か月もすると,ガンジーがこの世を去って10年になる。彼は十分に年を取ってはいたが,まだまだ生命力に溢れ,活動能力も並はずれていた。その彼の命を突然暗殺者が奪ってしまった。インドは打ちひしがれ,世界中が悲しんだ。彼と親しいきず…

ガンジー全集 第一巻 (1884年~1896年6月) インド政府 情報及び放送省 出版局 第一版第一刷:1958年1月26日(インド国定暦1879年11月) 第一版第二刷:1958年8月(インド国定暦1880年5月) 第二版:1969年1月(インド国定暦1890年11月) 第三版:…

めざせガンジー全集完訳

よく耳にするブログなるものを始めてみようと,今日,初めて登録した。 「私のライフワーク」と宣言したものの遅々として進まない「ガンジー全集」(全100巻)の翻訳を軌道に乗せるため,自力で翻訳できた分だけその都度公開し,自分にプレッシャーをかける…